ホルムズ、制裁、インフラ制約でエネルギー市場のリスクプレミアムが高止まり
原油市場の焦点は通常の需要よりも、地政学リスク、輸送の混乱、インフラ制約に移っている。ブレントは94ドル台を維持し、中国の製油所、サウジの輸出、イラク、ベネズエラ、欧州、インドはいずれも異なる形のエネルギー供給ストレスを示した。

ブレントは94ドル台、ホルムズリスクが価格を左右
8月21日のブレント原油は1バレル94.39ドル、WTIは87.06ドルで取引を終えた。主因はホルムズ海峡をめぐる供給不安と、米国の対イラン制裁姿勢の強化だ。OilPriceは、同海峡の通航が一週間を通じて一桁台にとどまり、アジアLNGが約24ドル/MMBtu、タンカー費用も高止まりしていると報じており、リスクプレミアムが原油だけでなくガスと海運にも広がっている。
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中国の製油所とサウジ輸出は迂回を迫られる
Reutersが引用したKplerの暫定データによると、中国の8月のイラン産原油輸入は日量約53.4万バレルで、7月の約82.3万バレルから減少した。独立系製油所は、割安なイラン産原油の供給減を受け、ロシア、イラク、ブラジル産原油や燃料油を探している。サウジアラビアも対応を進め、Bloomberg集計の船舶追跡データでは、エジプトのSidi Kerir経由の輸出が約33%増え、北紅海ルートは日量約110万バレルに達したが、アジア向けでは到着がほぼ1か月遅れる可能性がある。
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増産構想は配分枠と港湾制約に直面
イラクは6年以内に産油量を日量800万〜1000万バレルへ引き上げたいとしているが、OPEC内の余地と輸出能力が必要だ。ベネズエラでは逆に買い手はいるものの、タンカーが積み込みまで最長30日待つ状況で、老朽化したターミナル、停電、原油品質問題により輸出は日量約125万バレルで頭打ちになっている。
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中国の新計画は需要ピークを狙うが輸入依存は残る
中国の2026〜2030年油ガス計画は、期間中の石油消費ピークアウトを掲げつつ、国内供給、備蓄、輸送網の強化を進める。長距離油ガスパイプラインを2万キロ増やし、総延長を約22万キロへ、LNG受入能力を年2億トンへ引き上げる目標を含む。ただし中国は見かけ上の原油供給の約4分の3を輸入に頼っており、狙いは世界市場からの離脱ではなく脆弱性の低減だ。
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電力市場も緊張:原発冷却と太陽光出力抑制
欧州では熱波と干ばつで河川の水位や水温が問題となり、原発出力の削減が相次いだ。ルーマニアのCernavoda、ハンガリーのPaksなどが影響を受け、Triodos Bankは熱波全体の損失を2077億ドル、EU GDPの約1%と見積もった。インドでは太陽光の増設が送電網と蓄電能力を上回り、約42GWの案件が買い手を確保できておらず、4〜6月には約80億kWh、発電量の約11%が吸収されずに失われた。
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